MegumiTatematsu

愛の渦のMegumiTatematsuのレビュー・感想・評価

愛の渦(2013年製作の映画)
3.4
なんていうか
俳優さんと女優さんが晒け出すことの重みをすごく考えてしまう。

裸になること、乱交を演じること、
どれだけの覚悟と信頼でできるんだ。。。

しかも演じる側からしても
エロく魅せるのが目的ではなく、
もちろん生きる歓びとか愛情の表現ではなくてただの快楽。虚無感。
ただその、一瞬没頭できる、
気持ちいいこと。

俳優として、監督として、
あのシーンをどういう風に撮ったのか演じたのかそれぞれの考えを聞きたいなぁとおもった。

グルグルと回るカメラが追いかける数組のまぐわうカップル。
エロく見えない、なにも感じない、というのはこの映画の肝だと思った。

そして明け方になって
参加者たちそれぞれに
ドキュメンタリー的な描写が多かった。

奥さんに電話して、
石鹸の匂いは消した方がいいと
アドバイスして、
社会に、家庭に、生活に、
みんなそれぞれ引き戻されていく人たち。

加藤だけが、戻るべきものもなく、あの乱交パブで一番強く自分が生きてる実感を感じられる。

乱交パブで、乱交を見つめていたら、
現代の満たされなさとか虚無感とか
偽りとか嘲笑とか嫉妬とか
人間関係の機微が見えてくる。
ほんの数時間で
ここまで細かくそして些細な感情が
散らばっていく映画はそんなに無いかもしれない。

感情が重層的だったり、
見えずらかったりすごか小さな動きだったりするところはなおのことドキュメンタリーっぽい。

池松さんは、オドオドした狂気を演じるのが上手いなぁ。

役がそれぞれはまっていた。
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