SatoshiFujiwara

海の沈黙のSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

海の沈黙(1947年製作の映画)
4.2
2008年の『フランス映画の至宝』(映画祭)で観て以来の再見、やっぱり傑作だと思いました。ドイツ人将校のヴェルナーが初めて老人と姪の前に姿を表した時のヴェルナーに対するライティングの効果がものすごい。あの仰角気味の顔の浮き上がり方。街角の2人の男(レジスタンスの秘密裏の邂逅?)、片方がもう片方の足元にアタッシュケースを無言で置き、それが開くとヴェルコールの『海の沈黙』原作が入っていてそれが開かれクレジットが表れるオープニングも秀逸。オープニング時点→本編の老人のモノローグ→本編のヴェルナーの回想、本編、と語りの次元の巧みな複層化もまたメルヴィルらしいスタイリッシュさ。
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