ざてぃー

海の沈黙のざてぃーのレビュー・感想・評価

海の沈黙(1947年製作の映画)
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フランスを愛する1人として家の2人のフランス人と接するヴェルナー。独り語り続ける誠実な彼の姿に、2人は抵抗の沈黙を貫きつつも心を動かされていく。しかし憧れのパリで彼が出会ったものはフランスを破壊せんとするナチスドイツだった。彼は失意の内に、2人からやっと与えられた言葉を受け止めて前線へ戻る。

何とか自らの理想と現実の世界の進行とを重ねようとする前半のヴェルナーと、現実に裏切られた彼の失意の姿の対比。しかし、ナチスドイツへの完全な失望の共有が、彼と2人の間の線を超えさせる最後のピースとなったとも言えるのではないか。

あと、占領下の1942年にこの原作を地下出版できるフランスに底の知れないものを感じる
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