タイトルは『人間』でもいいのではないかと思えるほど、実に人間臭いドラマだった
幸福や満足は欲望に乗っ取られ、道徳心は刺激に呑み込まれるということ
手に入れたものには興味をなくすということ
孤独に耐えられないということ
そして、悲劇を経験しなければ立ち止まらないということ
追い詰められて悲惨な結果になる展開が多いが、それでもまだ本作には良心が残っている
理想にはほど遠く現実にしては甘さの残るラストを、その続きを、あなたはどう考えますか?と試されているような気がした
最も興味を引かれたのは、女性レポーターの偽善に塗れた優しさと矛盾だったが、どの登場人物にも確実に自分を見つけることが出来るという点では、安いホラーよりよほど恐ろしい作品だと言えるのかもしれない