リアルな人間模様でした。下手なハッピーエンドでもなく、復讐劇でもなく、後悔や怒りや悲しみに暮れながらもただ生きるしかない人たちの一筋縄ではうまくいかない人生を見てると、なんともいえないじれったい気持ちになりました。
ネット社会が絡んでくるあたり、とても馴染み深い映画。SNSを駆使したいじめだったり、チャットを利用した詐欺だったり、アダルトサイトの違法利用だったり。ニュースでもよく見かけるような問題だなあ、と。
ネットではとにかく簡単に人と人とが繋がり合える。軽く言葉を交わして、実際に会わないのをいいことに、良いことも悪いことも言い放題で、表現の自由がまかり通りすぎですよね。
その皮肉として、作中の登場人物たちは、現実の世界での関係はうまくいっているとはとても言えないディスコネクトな状態で。
身近にいる人と疎遠で、ネットの中の人と親密で。それは一概に悪いこととは言えないけど、家族なのに感じる孤独感や、共にいることの意義への疑問なんかは感じてしまいます。
でも、全体的に見るとやっぱり未成年のネット利用の雑さというか、警戒心のなさというか。匿名性を利用した悪意も目立ちました。
鑑賞後いい気分にはなれないけど、ネットの恐ろしさを知るには丁度いい教育映画になるんじゃないかなと思います。
