ささやん

ラストエンペラーのささやんのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
3.9
 ベルナルド・ベルトルッチが亡くなった。ラストエンペラーを思い出した。

 美を失った西太后。薄暗い紫禁城。幼い溥儀。

 乳母のアーモ。初恋の女性。二人は離れ離れになる。

 政変で紫禁城を離れる溥儀。日本との癒着。満州国皇帝。傀儡の王。張りぼて。その夫の姿を見て、悲観し、大麻に溺れる妻。第二次世界大戦の終戦。満州国も崩壊。そして、亡命の道中、ロシアにとらえられる。

 時は経ち、溥儀はかつての紫禁城へ。空席の玉座。守衛の子供。元皇帝であると子供に伝える。溥儀は博物館と化した紫禁城の王座に座る。虚無。

 皇帝の人生は幸せなのだろうか。幸せの価値観は多様だが、皇帝にはなりたくない。
ささやん

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