人間がどこまで醜くなれるかを知りたいなら、戦争映画よりもこの作品を観たほうがいいかもしれない
ドラッグ、セックス、金、あらゆる欲望と解放がここには詰まってる
いや、マジに正直なところ、この映画で行われるさまざまなことに憧れも羨ましさも全く芽生えない自分に安心もしつつ、でも逆にさみしさも感じたりした
こんな風に生きてみるのももしかしたらありなのかも?
って、映画を通してまでも洗脳されかける主人公ジョーダンベルフォートのカリスマ性はやはりすごい
人生、というか人間に必要なのは根拠のない自信
そして行動を起こしていくうちにその自信自体が根拠になる
まぁ結局やってることがクソみたいな詐欺で、周りを見下してメチャクチャに暴れ回ってるだけってのがなんともいえず虚しいというか
見下してくるやつと目が合うってことは見上げてしまったってこと
本当に興味がなけりゃ、その気がなけりゃ無視できるはず
そういう微かな心の迷いをジョーダンは見逃さない
そんなヤツらを巧みに操ってどんどん仲間に引き込んでいく
そんなに女とヤリたいか?
そんなにいいクルマに乗りたいか?
この映画はおそろしく今の時代向きじゃない
"若者の〇〇離れ"がどうのこうの言われてるのに、誰がこんな映画を観て楽しめる?
もはや「こんな時代もあったんだな」的な、時代の空気を感じるための作品とすら思える
ただ、その空気がなぜかすごく爽快でもっと浴びていたくなる不思議な魅力に溢れてるというのも事実
この空気には金と女とドラッグとクソみたいな欲望が充満してる
そしてそいつらはその瞬間を全力で楽しんでる
人の笑顔を見て、自分まで笑顔になるように、この映画は人を幸せにする力がある
美味しいお菓子を食べたときみたいな気分と思ってもいい
カロリーがどうとか、食べすぎたらどうのこうのとか、余計なことは気にせず約3時間だけ、このクソに集中してみてほしい
きっと最後には穏やかな心と表情になっているはず
この映画を観て、もし羨ましいとか自分もこうなりたいとか思ったなら、悪いことは言わない
今すぐ行動を開始しろ。
真の成功者は先延ばしにしない。
金にまみれ欲にまみれやりたい放題の最高で最低な人生を生きろ。
えっ、お前はどうしたいかって?
まぁおれは安い給料で平凡に生きることにするよ
映画を観ながらたまに贅沢してハーゲンダッツでも嗜みながらな。
見下してきても目が合うことはないから安心してくれ
そして、一番大事なことを最後にもう一度だけ言っておく。
それは、この映画は間違いなくクソだということである。
