若くしてウォール街をのし上がる男を実話を基に描く。
ドラッグとセックスと金が飛び交い、それをひたすら求める超男性的な欲深さ。
視覚への刺激的でスピード感のある映像と中毒性のある音楽にくらくら。こうなれば3時間の長尺もなんのその。興奮もクセになり、画面上の彼らのようにトランス状態。そして、ひたすら繰り返される乱痴気騒ぎを前にして思うのだ。「ウルフになりたい」と。
今回のスコセッシらしさは良かった。まるで『グッドフェローズ』の楽しいお仲間が、金融街を舞台に再集結したかのようだ。金があれば何でもできる。こんな夢、日常で味わえないよ。
そしてディカプリオが素晴らしい。あんな情けないことをしても霞まぬイケメンっぷり! 引退表明シーンでは『パットン大戦車軍団』のオープニング演説にも負けない、カリスマ性を感じて痺れた。
碌でもないストーリーだが陶酔する。