メタ壱

ジャッジ!のメタ壱のレビュー・感想・評価

ジャッジ!(2013年製作の映画)
3.8
広告代理店でCM制作に携わっている冴えない男・喜一郎。
大人の事情で取引先の作ったしょうもないCMを“サンタモニカ国際広告祭”のグランプリにしなければならなくなった社は、その責任を喜一郎に負わせる為彼を審査員にしてしまう。
しょうがなく審査会に参加した喜一郎だったが、そこで行われていたのは審査とは名ばかりの政治的な策略合戦だった!…というお話し。

ポップなノリで笑えるけれど、大切な事を教えてくれる上質なエンタメ作品でした!

好きなものを好きと言う、良いものを良いというのは簡単なようで意外と難しかったりします。

本作ではそれが業界内の政治的なやりとりとして描かれていますが、一般の僕たちにとっても意外とそうで、政治的ではないにしても本当に良いものが良いとされているかと言われれば必ずしもそうではないと思います。

思いの外、人の感性って脆弱なところがあって、「これいいよね」とか「あれ好きなんだよね」とかって世間の評判や価値観に流されてたり、“作られた”流行りにまんまと乗せられちゃってたりして、そこには自分の本当の“良い”がなかったりする事も。

こういった映画のレビューもそうですし、流行ってる商品や、面白いとされているエンタメが必ずしも自分にとっての“良い”とは限らないし、逆に評判が悪いものを良いというのはなんだか自分のセンスを疑われるような気がしてちゃんと好きと言えなかったりする気持ちって大なり小なりみんなあるんじなゃないかと思います。

でも周りの評価や世間の流れがどうであろうと、好きなものを好き、良いと思うものを良いって言う事はとても気持ちの良い事で、それは何かを見たり楽しんだり使ったりする上で一番ハッピーになれる心の在り方なんじゃないかと思います。

そしてそれはきっと世の中に“良いもの”を届けてくれる人達への最大の声援になるんじゃないかと思います。
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