ちよみ

ぼくたちの家族のちよみのレビュー・感想・評価

ぼくたちの家族(2013年製作の映画)
3.2
この監督の撮る映画は兎にも角にもリアリティが皆無で辟易する。

母親が余命一週間と宣言されるところから家族の話が動き出すのだが
ちゃらんぽらんな弟は母親のことも心配せず、対面しても気にせずにあっけらかんとしており、兄と父に軽口を叩く。

いやいや、いくらなんでもありえない・・。適当な弟は居てもいいが、余命一週間と宣告されても尚「全然大丈夫じゃんw」なんてのはいくらなんでもありえない。身内に死にかけた人が居ない、想像したこと無い人にしかこんな事は描けない。

妻夫木聡演じる兄は身重な妻がいる会社員の男なのだが、これもまたあまりに陳腐な生活感で失笑してしまう。

この監督はアップダウンのダウンとして用いる部分のほとんどが、あまりにも光景無糖なキャラクター表現に終止しており、いわゆる「大人の世界」を書くことに成功していないなという印象が拭えない。
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