嫌いじゃない。
嫌いじゃないんだけど、出来が悪い!
豊田利晃監督がかつて撮った、
「青い春」で見事に表現していた乾いた、ヒリヒリするようなかっこよさと、暑苦しい不良たちのむしろ泥臭いかっこよさが、噛み合っておらず、チグハグな印象をあたえてしまっている。
登場人物も多いが、どれもキャラが描けているとは言い難く、別段印象にも残らない。
やべきょうすけ演じる拳さんの意味が、ほぼ皆無。
ただ、永山絢斗演じる藤原、彼がむしろ主役のようだった。非常にカッコ悪く、卑怯で、去勢で生きている。学校から弾き出された藤原を丹念に描いたのは、豊田監督の意図なのかきになるところだが、そんな彼が物語から退場するときには拍子抜けもいいところで、空いた口が塞がらなかった。
全体的にとにかくテンポが悪いのだ。
音楽の使い方はさすがのうまさで、シーンを切り取ればかっこいい場面はいくつもあるのだ。
だが、物語として、かなり不出来。
旋風雄の描き方、どうにかならんかったのか…彼にみんながついてくる説得力がまるでなく、いつの間にか仲間になっていたみたくなっていた。
とかなりこきおろしてはいるのだが、僕は好き。だが人にはオススメできないのが、残念だ、非常に残念だ!