No.3303
『"巨像"という名の喪失感と戦い続ける男』
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せ、せつない・・・涙
内容的に『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と似ている部分があるが、孤独感に溢れた重い映画がご馳走の私には、大満足でした。
巨大な喪失感に苦しむチャーリー(アダム・サンドラー)を一生懸命に救おうとしているアラン(ドン・チードル)。
しかし、結局のところ、そのアランのほうが、周りの色んな人からカウンセリングされていることに気づく。
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チャーリーの抱える喪失感と孤独感の象徴として、ゲーム『ワンダと巨像』が印象的に使われている。
彼は暗い部屋でずっとこのゲームをやり続けている。
まるで巨像と戦うのが、彼の残りの人生の仕事ででもあるかのように・・・。
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確かに、久々に会ったルームメイトがここまで変り果ててたら驚くだろうし、自分だったらどうしてただろう、と考えてしまう。
きっとチャーリーは、かつては陽気で、誰からも愛され、音楽にも詳しく、一緒にいて楽しい男だったのだろう。
アランは、そんなかつての「チャーリー」と再会したかったのかもしれない。
アランの妻ジャニーン役を、ウィル・スミスの妻・ジェイダ・ピンケット=スミスが演じる。
アランとチャーリーは街中での、いろんな場所でのシーンが多いが、ジャニーンはほぼ、自宅でのシーンにしか出てこず、この対照性は意図的なのだと思うが、
だからこそ、『「チャーリーのことを思うアラン」のことを思う妻』という二重の思いが際立つ。