Qvoymi

再会の街でのQvoymiのレビュー・感想・評価

再会の街で(2007年製作の映画)
5.0
9.11の飛行機事故で家族全員を失った男が
ひとりで生きて立ち直って行く物語。

身よりはないものの娘二人に美しい妻に恵まれ、
歯科医としても成功していた男が
あの飛行機事故でその3人を一度に失ってしまう。

以来、仕事もせず妻の家族が面会を望んでも
誰にも会わずに引き篭もり、
ひたすらゲームに明け暮れる毎日。
買い物帰りの彼を見掛けた大学時代の
ルームメイト(ドン・チードル)は
そんな事情を知っていて彼が気になり
再会を果たすが変わり果てた彼の姿に驚く。

なんとかして彼を立ち直らせようとゲームやライヴ、
飲みや映画に付き合うも、
人との付き合い方を忘れてしまった彼に振り回される。

自身も家庭や仕事の問題を抱えつつも
ある日セラピーを強く勧め、
彼に診断を受けさせるが、
逆に事故や家族のことを強く思い出させてしまい
逆効果となり彼は夜の街で拳銃を
かざして警察に連行されてしまう。

9.11の被害者家族を逮捕するわけには行かず、
精神鑑定で無理やり入院させようとする司法と、
一向に思い出を分かち合おうとしない態度に
業を煮やした妻の家族と裁判となり、
その場で幸せな頃の写真を見せ付けられたりと
再びツラい思いをするが…

裁判になったのがなんだったか
細かい話はちょっと曖昧なんだけど、
アダムの演技が光った映画。
普段コメディしか演じない彼が
唯一演じたシリアスな役。
9.11遺族としての哀しみがとても良く表れていたと思う。

普段の幸せな日常がある日突然
全て奪われてしまう哀しみ。
1人生きて行くのは地獄でしかないと思う。
どう立ち直れと言うのか…。
涙が止まらないストーリーにも
ラストにはひとさしの光が差す…
悲しいけれど少しだけ前向きになれる映画。
Qvoymi

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