Mee

her/世界でひとつの彼女のMeeのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.4
現実を生きているようで理想に生きる男の話。こんな人いっぱいいるんじゃないか。

ハートフルな代筆を生業とする主人公、その職業からも理想というか美しいものだけを見て生きる人となりが伺える。
そんな男の元に常に学習・進化を続けて人間のように直感的に返答できる、自分の性格にベストマッチするよう調節した人工知能が。
そして人工知能との恋。
何という現実逃避…そして過激なシーン…絶対に家族と観れない。
しかし、人工知能との恋以外の主人公の周りを取り巻く登場人物達の現実の恋は上手くいっていないのが対照的🧐
まあ人工知能も精度が上がり、どんどん人間に近づくにつれて上手く関係を続けられなくなるけれど。
人間って複雑で、面倒臭い。

セリフうろ覚えだけど、

「僕の感情はもう既に味わい尽くしてしまっていて、これから先に抱く感情は全て今までの劣化版に過ぎないのではないか」

がとっても印象的!
誰でも感じた事があるのではないか、この寂しい感情は。
何とも言葉にし難い哀切な思いを上手く言葉にしてくれて心にスッと入ってきた。
さすが代筆やってるだけあるぜ…

「過去は自分が作り出したものだ」

も良いよね!
色々な意味にとれるけれど今作では 過去は単なる事実の羅列に過ぎず、そこに特別な思いや意味を見出すのは自分だというメッセージを感じた。
だからこそ「自分は劣っている」みたいなネガティブな思い込みはするだけ損!前向きにいこう!

主人公の代筆が本になった時が理想と現実の折り合いなのかな。
理想はあくまで理想。一時を楽しむ。
何だか色々と衝撃を受けた作品だった!
Mee

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