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パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIEのyokoのレビュー・感想・評価

3.9
見る前のイメージは113本の無茶ツアーが祟ってヘビーな状況になって活動休止、解散につながっていくのかと思っていたが、そもそも一発目のライブからダークな疲労感が漂う。私はイエモンのコアなファンではないが序盤の狭めのホールツアーのファッションはグラム調というよりは髪もただ雑な長髪でロンTでなんとなくカートコバーンな印象。吉井の言葉を借りるなら最初から失敗のフラグは立っていたのかもしれない。さあやるぞって意気込みがあまり感じない。ただ映像作品として悪いという意味ではない。

中盤でタネあかしされるが前年の1997フジロックで結果を残せなかった(と吉井は思ってる)ことでハードにやらなければという重責、洋楽コンプレックスが始まる前からの重さの原因だったのだろう。フジロック失敗というのはなんとなく知っていたが音源を聴く限り悪くもなく、楽屋の感じも4人が打ちひしがれているというより吉井1人が打ちひしがれているという感じ。4人で絶望の方がある種の救いはあったのかもしれない。

終盤の派手目な開き直ったというか、パンチドランカーセットのちゃぶ台返したアリーナツアーの大掛かりさの方がやっぱりこのバンドには似合う。吉井もジミーペイジもジーンシモンズも、ライブハウスのキャパでは変にリアル調になってちょっとしたアングラ役者のように見えてしまう。彼らのスタイルはやはり広い会場に限る。

基本映像のトーンはヘビーだが合間合間に現在の4人のインタビューが挟まれるのが良い意味で清涼剤となり気分転換になる。4人の話以外ではドラムテックの人のガチ感がおそらく一番目を引く。
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