ねこだとらきち

インターンシップのねこだとらきちのレビュー・感想・評価

インターンシップ(2013年製作の映画)
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前半はすごい良かったけど

いくら今よりはマチズモに対する批判が薄いとはいえ2013年にこの価値観でつっぱしって感動げにパッケージするのはちょと酷いなあっと。。
この手のジャンルとして決定的に視点の数が欠けてる

主人公2人の閉じた価値観が成長すると見せかけて実は周り全てが彼らの都合に感化され飲み込まれていくのみ。
もちろん異分子が群れにエフェクトを起こす映画はたくさんあるけど、それらの場合異分子には少し離れた視点もしくは他の視点から相対化される。「きっとうまくいく」や「今を生きる」のように。

チームメンバーのパーソナリティは
1「マザコン」
2「強がって経験豊富なフリをする誇大妄想家」
3「スマホの画面から顔をあげないニヒリスト」

といかにも上から目線で戯画化されたギーク像のステレオタイプ。
そして一見ラストには成長してるように見えるが実際は主人公たちのマチズモ的なノリに飲み込まれただけだ。それを自立した成長とは呼べないよ。

なぜならこれもメンバー一人一人の人格ある目線からの葛藤がほぼ描かれないから。

マザコンは「クールランニング」のジュニアのような成長をしっかり描く必要があるだろう。ラストより前に。

ニヒリストには「今を生きる」のヤンチャ組

強がりにはナードもののような感じで。

序盤は良かった分後半はホントがっかりだ。

「大人の息抜きを教えてやるといわれ連れてこられたクラブで、片眉をむしりつくすまで泥酔させられた未成年が酒を飲ませた当の大人にマジックで雑な眉を描かれる。」
これが本当におじさんと子供の美しい友情が芽生えるシーンみえるかい?  

極め付けは主人公が相棒をふるい立たせるためにいうあのセリフ。
ダメすぎだし、あれで結局こいつ何も成長してないじゃん。と


結局は

「どうせ勉強ばっかのコンピューターギーグなんてのは大切な何かが欠けてんだろ。そんな頭でっかちで奥手な現代っ子は俺たちの『昭和の大人のたしなみ』を教えればたちまちコロンとオープンになって万事解決だろ〜?」

てところが悪目立ちしちゃった感じだなあ