おおなり

何食わぬ顔のおおなりのレビュー・感想・評価

何食わぬ顔(2003年製作の映画)
4.0
8mmフィルムの荒い映像で語られる97分、映画を撮る前半と、その映画が丸ごと組み込まれる後半による2部構成。
暗闇に4つの白い塊(3つのワイシャツと1つのサッカーボール)が浮かび上がるシーンが印象的。
電車での辞書を読み上げる声と、『ドライブマイカー』の車の中でのセリフが吹き込まれたカセットの声、『偶然と想像』第2部での小説の音読の声、『ハッピーアワー』の小説家の朗読会の声には濱口的な共通点がある。
監督、脚本、編集、撮影、そして出演する本作を手がける濱口の年齢は、『市民ケーン』を作ったオーソン・ウェルズの年齢と重なる。