JIZE

インターステラーのJIZEのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
3.4
【WATCH作品No.27】
まず構成的な観点では上映時間169分に対して科学的な専門知識(相対性理論やウラシマ効果,5次元)を多用しそれにおける少なからずの説明描写(補助要因)がほぼないのはプロット上のご都合主義を感じ不誠実で各事象による人物の緻密的言動が深過ぎて抽象描写が多いのは本作,正直否めないと思う。
冒頭の幕開け場面で部屋の本棚に砂嵐が降り注ぐ場面での後展開の繋げ方には伏線的にも感心させられた。あの時点でマーフィー部屋の本棚が話の本質上,重要という事を観客に匂わさず些細な事象(腕時計や本の位置)の時間軸的な解明から徐々に明示される不可逆感は順を遡って配慮しても秀逸だと思う。
宇宙に旅立つ事をクーパーがマーフィに告げる場面では本質上もっと根深いミスリード的なギミックをあの部屋に敷いてもよかった風に思う。特にクライマックスでのあの次元を超越した繋げ方を踏まえると浮上する要因(伏線)が少し萎縮気味に収まり誤読の余地における範囲が狭まったのは否めないと思う。
またクーパー率いる宇宙船がワームホールを通過する際に生じた次元的歪み(重力異変)を人間の手で体現した映像表現はSFジャンル的にも生唾もので,『インセプション』を想起させる場面描写も随所にあり感銘。これはノーラン独自の世界観をより徹底的にリアリズム思考(追求)で魅せた現れだと思う。
総評。悪因は氷の世界での場面で,つまり世界軸の荒々しさ(脅威感)とは反して展開自体の鈍重さが割と際立ち場面との毛色があまり合致してなかった風に思う。例えば,この場面での人間同士の争いに関しても古典的で静的な攻防展開は津波場面と比較しても劣悪感が否めず人物動作の停滞感が続いたのは確かだと思う。エンド間近で主役の目覚める場所も少し蛇足感が残る。
良因は終盤での現在と別次元を繋いだパラドックス描写の描き方(世界観投影)や科学の在り方を前向きな方向に着地させた点で,確実に今までのSF感を超越し際どい領域まで鋭く踏みこんだラスト展開だったと思う,オススメです‼︎!