つのつの

物語る私たちのつのつののレビュー・感想・評価

物語る私たち(2012年製作の映画)
4.0
『ウーマン・トーキング』まだ見れてないけど、同じく「物語る私たち」の映画なはず。
撮影している主体も撮られる客体にするという構造は、ドキュメンタリーにおいてありふれたものかもしれないが、本作で(確か兄へのインタビューの時に)サラ・ポーリーが「あなたはどう思う?」と聞かれる瞬間は、思弁的なドキュメンタリー論ではなく、親密な間柄でのごく自然な疑問を提起する。
家族・親戚の中で自分だけが映画を撮る立場で、また自分だけが他と異なる出自を持つ。おそらくそれはサラ・ポーリー自身が最もよく理解していたことなのかもしれない。
だから敢えて演出と作為を凝らして「stories」を語る。しかもその際に、マイケルはナレーターとしてポーリーと共作も行う。
数秒しか映らない撮影クルー達が、サラ・ポーリーと共に機材を揃えて映画を撮る手筈を整えているシーンが良かった。
「完璧な父娘の関係なんて存在するの?長続きするわけないのに」という台詞が印象的。
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