ただのつづり

子宮に沈めるのただのつづりのネタバレレビュー・内容・結末

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

カメラを固定し人物の動きや顔が分からないまま撮影しているのが、人の生活を覗き見しているようで面白い視点だった。音楽や台詞が少ないのも良い雰囲気。

最初はお家も綺麗で料理も凝っていて幸せそうだった。子供が泣いてもお母さんはイライラをぶつけず頑張って育児に励んでいる。とても優しい。それ故に、夫に別れを告げられてからの荒み具合が激しい…ご飯は買ってきた惣菜になり、子供を叱り、家も散らかり…映画はフィクションだけど実際に有り得る状況。
わがままを言わないようにしたり弟の面倒を見たりする幸ちゃん、大人っぽいけれど椅子を押したり冷蔵庫を開けたりする動作一つ一つが懸命で、この子もまだ幼い子供なんだと思い知らされる。親の帰りを待ち続ける子供のシーンが長く、幸と蒼空の孤独が痛いほど伝わる。

夫との関係悪化から、疲弊しきって大切にしていた子供を殺めてしまったお母さん。本当に辛いお話だった。
終盤の、赤い紐が繋がった何かを挿れるシーンやお風呂場で血を洗い流すシーン?がいまいちピンと来なかったので他の方の感想を読みたい。