ヒムロ

子宮に沈めるのヒムロのレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
4.8
夫に別れを告げられ、1人で子供2人を育てている由希子。
まだ幼い幸と乳幼児の蒼空、2人を育てながら働くのは厳しく、水商売に手を出し次第に心が痩せ細っていく。
大阪二児餓死事件をテーマに恐ろしいネグレクトを描いた社会派映画。


もうとんでもないぐらいダメージを受けた。
見ているのが辛すぎるし1時間見て「まだ30分もこれが続くのか…」と絶望してしまった。
「後味が悪い映画」という表現があるがこれは言うなれば「全ての味が悪い映画」だ。
中盤以降はずっとゲロを煮込んだような味がする。

画角が見事で最初は謎に思えていたカメラワークだったのだが、中盤以降に意味がわかってくる。
定点長回しのカメラワークはどこか監視カメラのような覗いてみているようなリアル感を感じる。
今この瞬間にも幸ちゃんが実在していて、だが自分には何も出来ないような感覚に陥る。
缶詰を開けようとするところなんて見ていられなかった。

元ネタの大阪二児餓死事件に比べると、ネグレクトする理由が弱いというか、急に感じる所があった。
90分の映画だったので夫との確執がもう少し前半にあってもいいかなと思う。

最後はもう「あぁ…来てしまった…終わった…」と言うしかない終わりで、「こうなったら最悪だけどこうなるんだろうな」を全部そのまま叩きつけられる。

もう少し幸ちゃんが痩せている感じが欲しかったが流石にメイクや特殊効果ではその辺は無理か。
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