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子宮に沈めるのShawのレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
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 いや...胸糞とか言ってる場合じゃなかったなと... ...

 このカメラワーク。最後まで一切動かない固定カメラ(ラスト、数秒だけ上を向くのみ)、何処かから覗いてるかのような感じ、無機質で静か。
 ワンカットワンカットが異様に長く、それを削ぎ落とすとおそらく本編は半分ほどになるはず。でもそうはしない。
 感情的になるシーンも一切ない。むしろ、主人公の子供以外の登場人物は、あえて顔をできるだけ写さないような撮影をしている(例のシーン、あのシーン、過激な描写はあえて一切見せない)。「見せない」ことで、観客に推測させる余地を与える。

 家から一切場所は変わらないのである意味ワンシチュエーション映画。最初、部屋内を見て思ったのは「かなり片付いていて綺麗だな」ということ。
 そして、ある時点で明らかに床のものが増え始める。長回しと、同じような部屋をあらゆるアングルから何度も写すことによって、観客にそれを気づかせるという鮮やかな撮影。一見ただただカメラを向けてるようで、計算し尽くされてる。

 無名の俳優たちなのだろうが、彼らの演技もすごい。特に子役に関しては、包丁を触らせたり粘土を食わせたりするところなど、どうやって演技をしているのか見当もつかない。

 実話に基づいていて、BGMなど一切なし、説明的表現も一切なし、抑揚も一切なし、ドキュメンタリーに迫るほどのリアリティで、見るものを凍りつかせる。

 タイトルはどういう意味なのか、もう少し考えてみたいと思う。
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