よっちゃん

ノスタルジアのよっちゃんのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
5.0
低い彩度のなかで際立つ光と灰色の美しさ、褪せたグリーン、炎の持つ清らかさ。そして水の音。音がない状態よりも、音を聴くことで静かさが知覚される感覚が心地よかった。
外界との境界としての身体のあり方、意識を拡張して、混ざり合うこと、どこにも行きたくないけど、ここではないどこかへ行きたい漠然とした所在なさ。それでいて郷愁や家族という集団に帰属する自意識から逃れ得ないこと。
映像も音も空想と現実の境目の曖昧さも染み込んでくるような、静謐な作品だった。
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