そりっどあいぼりー

グランド・ブダペスト・ホテルのそりっどあいぼりーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

めっちゃくちゃ面白い!

もはや左右対称が極地に達している。心地よくスマートな作品だが、あのキューブリックでもここまでしたか!?というくらい画面構成の徹底さは強迫的で、ウェスアンダーソンは神経症だと思う。画面構成の徹底さが結果として、この映画全体のテーマとも密接につながっているのでそれも上手い。話自体は結構残酷で陰鬱にもかかわらず、語り口は軽くコミカルで、時々アニメのようなシーンも出てくるのでより一層おとぎ話感が増強されている。どれだけ悲惨でも、豊かな語り口が後世に希望を伝える。個人的には、ラストの撃ち合いの瞬間が良かった。あの瞬間は、ウェスアンダーソンのこだわり尽くされた画面と、とんでもない方向に飛躍する話との距離感が最高潮に達して、その違和感たるや、最高に面白いところだ。

俳優陣に関しても素晴らしい。デフォーは出てきた瞬間から最高だし、Eノートンが出ているのも嬉しい。しかし、何よりも良かったのは、一瞬だけメイド役で出てくるレア・セドゥだ!