にいにい

ザ・イーストのにいにいのレビュー・感想・評価

ザ・イースト(2013年製作の映画)
4.0
環境テロ団体「ザ・イースト」に潜入した民間スパイが彼らとのカルトちっくな生活、環境破壊企業への襲撃を通して善悪とは何か?を突きつけられる本作。

まず環境テロ組織という存在をそこまで知らなかったし、そこまで映画として扱われることのなかったテーマだと思うので(僕が知らないだけ?)前から観たいと思ってた。冒頭部分のザ・イーストに潜入するシーン、拘束具を付けての食事のシーンは正にだがゾクゾクとした嫌らしい恐怖を感じた。『マーサ、あるいはマーシーメイ』を観た時も同じ感触を得たがこういう世界があることに驚きと自分とは決して交わらないでほしいと思わざるを得ない。ここで一気に映画にのめり込んだ。

その後は彼らとの奇妙な生活と環境破壊企業への襲撃が続いていく訳だが意外と社会的信念よりも個々が持つ弱い部分が強調されていて、感情的に感じた。却って個々の登場人物に感情移入出来たので個人的にはグッド。目には目をのやり方が正しいかは分からないけど、本作で描かれている企業はどこもそうされても仕方ないと思わせるほどの(それでもその行為は良くないと思うけど)醜悪さが際立っていた。潜入スパイのジェーンが揺れ動く気持ちも上手く表現出来ていた。ベンジーに惹かれていく部分はちょっと陳腐ではあるけれど、アレックスなら仕方ない。

最後の襲撃企業はすぐ分かっちゃったけど前半からサスペンスフルにテンポ良く終わりまで観ていられた。娯楽作としても楽しめるし、骨太な(骨密度は少ないかも?)社会派作品としても意欲的な映画だと思う。アレックスの裸体も拝めるし是非見てほしいですね。
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