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ブルージャスミンのmstkのレビュー・感想・評価

ブルージャスミン(2013年製作の映画)
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2014/06/11
@品川プリンスシネマ。「私を会員にするクラブには入りたくない」とは『アニー・ホール』で紹介されたジョークだが以後も『カメレオンマン』など度々浮上する“アイデンティティーの不確かさ”というテーマはいわば“偽ID”を巡る物語に他ならない。ここでのジャスミン(ケイト・ブランシェット)はこの“偽ID”を手放さないし、手放せない。「ユダヤ的」とされてきた“アイデンティティーの不確かさ”は、“偽ID”を巡る人間の物語として提示される(し直される)事で、その普遍性が再確認されよう。
恐らくはかつて無いほどに冷徹に人生を見つめる監督ウディの視線だが深刻になりすぎる事はなく、むしろ全編ユーモラスだといえるし、実際いつウディ自身が登場してもおかしくない雰囲気が漂う。個人的には『夢と犯罪』と並ぶ、21世紀ウディのベストです!
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