Keitan

ブルージャスミンのKeitanのレビュー・感想・評価

ブルージャスミン(2013年製作の映画)
3.6
『対称的な姉妹に人生の奥深さを感じたお話』

20200517 085
ウディ・アレン監督。ケイト・ブランシェット主演。コメディ要素がもっとあるかと思ったら割と抑えめの、しっかりしたヒューマンドラマだった。セレブ生活が一変、夫の詐欺逮捕で全てを失い精神を病んだジャスミンの物語。貧しい妹の家にやって来て再出発を目指すが、慣れない暮らしに争いばかりという展開。死んだ夫との裕福な過去の生活をインサートしながら物語は進行。

元セレブで嫌われ者の姉と貧しく面倒みの良い妹といった分かりやすい対比かと思いきや、ストーリーが進みラスト近くにセレブ生活の全てが壊れた決定的なシーンが描かれると印象は一変。純心に夫を愛し心が壊れた姉と、上っ面な幸せを求める尻軽な妹という構図も見えてくる。なかなか人生は深いなと感じされてくれる作品だった。

セレブな上質さから心を病んだ醜悪さまで振り幅の広いケイト・ブランシェットの演技は圧巻。ラストのノーメイク(多分)で老婆した表情がとても素晴らしい。

印象的な場面で流れる名曲ブルームーンが切なく響く。
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