いつき

ミケランジェロ・プロジェクトのいつきのレビュー・感想・評価

4.4
これが史実なんだから驚くやら恐ろしいやら…
ユダヤ人大虐殺も許されざる悪行だが、本当にすべての美術品が失われていたら、それに並ぶ悪行として記憶されるものだと思う。
美術に思い入れがある分、より強くそう感じた。


映画としては重苦しくなりすぎず、コメディタッチに描かれていてとっつきやすくて良かった。
とっつきやすさはありつつ、現実として戦争の、しかも最前線であることを急に思い出させる場面もあり、それが衝撃やら現実感を増すやら…

惜しむらくは主人公以外のメンバーのキャラがあまり立たないまま終わっていくことかと。
なんかいまいちどんな属性の人だったのか理解しきれないまま終わってしまった。
せっかくスカウト段階で「君はこれについて詳しかろう」みたいな選定理由が出てたのだから、それが現場で生かされる描写は欲しかったかも
キャラ一人一人への思い入れまでは持てないまま終わってしまったのが心残り。


とはいえ良い映画だったので是非。
大きく取り上げられる祭壇画と母子像だけでもちょっと知識があると楽しさ倍増です。
いつき

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