うたうひとのAkiのレビュー・感想・評価

不思議なもので、言葉を交わしているだけの映像なのに言語以上の化学反応を感じる。それが、物語、「うた」の力か。
物語とは個々の離れた出来事に「流れ」を見出し繋げること、それをまた誰かに伝えることで世の流れ、考え方を誰かに伝授することができる。伝心することで人は繋がる。
劇中で出てきた「物語の世界」という概念、そしてそこから引き出された現実と物語、自己と他者、話し手と聞き手の表裏一体性から、映画と観客という対がまた浮き上がり、一観客として引き込まれた。