うたうひとの作品情報・感想・評価

うたうひと2013年製作の映画)

上映日:2013年11月09日

製作国:

上映時間:120分

3.8

「うたうひと」に投稿された感想・評価

全てを聴きとるのは無理かなと思ったので、
可能な範囲で耳をすませました。
とりわけ男性の語り手の話は難しかった。

しかしながらやはり濱口作品だった。

なんで濱口さんが民話の語り手に興味を持つのかがすごく伝わってきたし、
小野さんていう聞き手が分析してくれることで、
より民話の技法がくっきりとわかる。

結局、小野さんの興味と濱口さんの興味ががっちり噛み合ってて、
小野さんと語り手との絡みが、
私の知ってる濱口作品そのものだと感じてしまう。

今作でも出てくる東北三部作を象徴する撮り方は、
これどうやったんだ?と思うくらい自然に挿入され、
なんならフィクションなんじゃと思うほどでした。

改めて東北三部作を見たくて仕方がなくなったのは言うまでもないですが、
ドキュメンタリーなのにも関わらず、
やはり濱口作品そのものだと感じるふしぎさに、
監督としての力量を感じました。
(偽りではない虚構)に触れた時に築かれるコミュニティの礎。

酒井 耕+濱口 竜介

『うたうひと』

5時間の触覚体験『ハッピーアワー』
2018年最大の映画『寝ても覚めても』の濱口竜介による(東北記録)をやっと観ました。

構える事を自戒しながら接したつもりでもいつの間にやら前のめりになって民話を聴き入っている自分がいました。
梅田

梅田の感想・評価

4.0
3人の民話の語りべとそれを聞く人。切り返すカメラがドキュメンタリーからの心地よい離脱感をもたらし、行き着く先は結局、濱口竜介の映画そのもの。対話とは相槌を打つこと。面白すぎてヤバい。
猿の恩返しとその解釈は面白かったが、さすがにこれ2時間はキツいでぇ…。
小野和子さんの聴きっぷりには惚れ惚れした。こんなふうに柔らかく穏やかに優しく話を聴いてくれたら、それは民話の語り手もいやがおうにも興が乗り、熱をもって語ってしまうだろう。

表情や合いの手、間合いの取り方。先を勧める言葉。どれも素晴らしい。

聴くひと話す人の合作が民話なんだろうと思った。それは聴き手により語りの質も変わるという事だろう。

猿の恩返しは一見、ひどい話だがそれを嫁いびりに対する隠された意趣返し願望と捉えたところも感心した。物語もそれが置かれている背景を想像しないと隠された本質が見えない事がよくわかる。テキストはコンテクストによって意味が変化するという当たり前が改めて理解される。

また小野和子さんが民話の聴きとりを始めたのは、戦後、教科書に墨を塗らされる体験を経て、田舎にこそ信ずべきなにかがあると思って活動を始めたが、周りからは実際には田園は醜い争いだらけだよと言われたという。

それに対して、良いところだけで付き合うのでも良いのではないか。お互いそういう部分だけで付き合える時間や場は幸せなのではないかと。

その芯の強さにも揺さぶられた。相手のすべてを知り、自分もさらけ出す事が真の付き合いだと考えがちだが、配慮のある距離を取れる事も実は重要な要素ではないかと感じる。

つまり聴き方をどうするのかは、ひととの関係性の構築でもあり、そして関係性とは実は生き方や世界の見方そのものなのかもしれない。

それは対人間に限る話ではなく、モノとの関係性にも通じる気もする。断捨離ブームもその一環だと思う。

極論だろうか?
難しいことは考えずおばあちゃんおじいちゃんの昔話を聞くといった感覚で見るのがいいと思います
うまく没入出来るように撮ってあります

日本映画専門チャンネルで放送されたものは全編字幕がついています
分からないところは1つもありませんでした

エビの腰が曲がる話、信徒様がケツを撫でる話など笑ってしまう話が満載です
子供と一緒に見るのも楽しいと思います
結構面白いですよ
民話の影の部分も拾っていてドキュメンタリーとしても面白いです
miyagi

miyagiの感想・評価

2.5
圧倒的方言により、8割がた何喋ってんのか全くわからなかったけど、話す聞くの形式美をカメラに収めた記録映像だと思うことにした。
唐突にくる正対のカメラにどきっとするし、車内であろうと手持ちを拒否する画作りは劇映画のそれと同じ。徹底したノーライトに誠意を感じる。
外光のお陰でシルエットになる人物の構図がフォトジェニックであり、そこらへんのドキュメンタリーとは完全に一線を画してる。
にしたってどこの誰かわからんじっちゃんばっちゃんの話を2時間聞く(しかも内容がわからない)のはただただ苦行だと言うしかない。
草野なつかがここにヒントを得たのでは。という気がしないでもない。
Keicoro

Keicoroの感想・評価

3.2
途中、記憶がない所もあるんだけど😅💦
昔話と言えば絵本や本、テレビのマンガ日本昔話
語り継がれる物だと思っていなくて、方言が分からなくて、必死に聞いて、推測
必死に聞いても、、分からない所もあって、推測すら出来ない所もあったけれど、何故が、それはそれで、違和感が無かったのが不思議
tony

tonyの感想・評価

3.4
方言が全くわからない。聞かれることによって人は生き生きと話せるということ。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.0
まだ8年なのかもう8年なのかと、今年も3月11日が再び巡って来た日にそう考えた人は多くいたと思うが、いつかはそんな日も「むかーしむかし」の事として、語られる日が来るのかもしれない。話す・聞くのプロセスを通して、記憶の彼方に眠っている何かが掘り起こされ、蘇っていく。同じ(様な)話であっても、語り手が変わればニュアンスが変わる、真偽それ自体を歪めてしまってはとは思うが、あの日から前に進む為に、伝言ゲームの様に語り継いでいく事はやはり必要、もっとも危険なのは誰も語らず、誰も耳を貸さなくなる事である。子種や富など何かがもたらせる話もあれば、人々に警鐘を鳴らす不気味なもの、はたまたずる賢さを裏手に取った生活の知恵たる話もある。人々の生き様が物語に変換され、そして継承されていく、語り手・聞き手を真正面から捉えるそれは、まさしく濱口竜介の姿勢だろう。喜びも悲しみも幾歳月、そこに生きる人間と共に、物語は息づいている。
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