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りんごのうかの少女のmuscleのレビュー・感想・評価

りんごのうかの少女(2013年製作の映画)
5.0
最初から日本の自主邦画的なセリフによって作り出される心情とか、感動とかそれに用いられるクサさを1ミリも信じてなくて素晴らしい。緑の中の灯油、神社の敷地で犯罪計画、フレーム外へ伸びる梯子、嘘でしかない山を見る視線のつなぎ、DSで読む太宰、着火前のハッピーバースデー。全部おもろかった。形式上の反復とか狂言回しとかフレーム内外のアクションのやり方とか、高野文子が映画を撮ったら…なんてことを微かに思わせもした。りんご農家と三味線と太宰と…を全部入れてこんな映画になってるのがすごい。馬の落下→ガキの円→引きの葬列→ガラスに反射する二人の姿→読めない「忌中」→母親との対峙の流れが一番すごかった。横断歩道越しの対話もなぜか笑いながら泣きそうになったが。
横浜聡子監督ヒッチコックオタクらしい。今作では父親の死に方が完全にヒッチコック。
ガキの顔が全部素晴らしい。ジェネリック山ピーみたいな男が韓国語みたいな青森弁で喚き立ててるから何言ってるか半分も聞き取れてないけれど、感動した。
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