muscleさんの映画レビュー・感想・評価

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ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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右に壁というスタイルは変わらず。しかし、カメラは自立することなく、吹き荒ぶ風の中に放置されるがままといった感じである。
見初めて5分、シャンタルアケルマンの横暴を許すなと思ったけど、自殺した監督が死者
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ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ギョッとするぐらい撮影がいい。トークで三宅唱も話していたけれど、そこを映すんだっていう場面をショットにわざわざ残している。
試合の最中、伏した身体が三角形を作るカットに息を呑んだ。
こんな雰囲気いい酒
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オロ(2012年製作の映画)

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長すぎるフェードとかにドキュメンタリーを編集する体力のなさをやや感じたりしたけど、監督の愛おしさにやられる。おでこを突き合わせて、演技をつける演技をする…。衝撃の音楽合わせが多数あって、編集→即興演奏>>続きを読む

マンモス 世界最大のSNSを創った男(2009年製作の映画)

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やっぱり児童売春問題、というか子供の疎外に関心を向け続けるルーカスムーディソン。一歩外せば『リリア4ever』が待っているという不思議な緊張がある。
屋上でランニングしたり、手術室のミシェル・ウィリア
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天空のからだ(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

意外と普通でこの監督の新作への期待値が下がった。神父と旅?っぽくなってから面白いものの教室の撮り方が味気なくてふつー。像云々もなんだかな。

フェラーリ(2023年製作の映画)

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最初から正妻の家ではありませんでしたよってドッキリ感から、絶妙なフェイントとはずし具合が流石のマイケルマン。
教会のクロスカッティングで流石に居住まいを正すも、墓参りで落とし前をつけるのが大人の語り口
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権力の陶酔(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シャブロルで近作の割になかなか入っていなかったのもわかる、はずし具合。
毛布にくるまったユペールがなんか可愛らしい。マジでシャブロルって絶対に強い女性の、少女っぽい横たわり場面を逃さないよね。ガンガン
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化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

逆立ちにさせられる人たちを見て、自分の逆立ちを見せつけて自分の意志で逆立ちで歩けるから大丈夫だよと示すお母さん。なかなかにグッとくる塩梅。落とし前つける映画フェチなので素晴らしく感動。
地獄ホテルから
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

5.0

『夜明けのすべて』なら爆竹のとこで終わったような映画が、最良のイーストウッドみたいに太々しく落とし前をつけながら展開していく。手袋のところまでは有沢佳映の『アナザー修学旅行』みたいでワクワクしていたの>>続きを読む

ヘリウッド(1982年製作の映画)

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カルトであることを当初から目指して作られたカルトなので、当然やや寒いものの当時の自主制作の人々の未来が賭けられてる感じが楽しい。
遠藤賢司の『東京ワッショイ』のMV部分だけなら5.0。というか当時の機
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橘アヤコは見られたい(2020年製作の映画)

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和製『ダッシュカム』、『スプリー』まであと一歩という意欲作。
レストラン場面が一番興奮したのでエロを活かしたままもう少し攻めて欲しい。

裏ホラー(2008年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

今更ながら。数本は当然YouTubeで見たことあるものの、すべて一瀬隆重らしく凝っていて大感動。「飛び降りる女」の疾走感あるカメラと手すりから手の離し方が素晴らしい。
手を振る女見てて思ったけど、いそ
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コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

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いわゆる『ソラリス』の黒澤邸パート的な高速道路の正面直進映像の気持ち良さ。あそこだけ延々と見ていたい。ヒッチコックも『ファミリー・プロット』でしつこいくらいやっていた。逆に言うとそこ以外本当につまらな>>続きを読む

すべての些細な事柄(1996年製作の映画)

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木漏れ日の中行われるここではないどこかによる演劇。ニコラフィリベールのイイ顔への感知力が尋常ではない。顔から顔への繋ぎなんだけど、編集の心地よさ。

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

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結構1.0に近い。音楽の入れ方がよくて、BGVとしては素晴らしいと思うんだけど、どことないミソジニー感としょーもない脱力リアリティにげっそりする。ヒロイン像のテキトーさに窃視願望。「みんなどうおもう?>>続きを読む

パルコ フィクション(2002年製作の映画)

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メイキングとオーディオコメンタリーが本名というか。
「僕はスピルバーグですか」という矢口史靖。徹底的にコンテ主義で現場を仕込みまくる矢口史靖。睡眠不足で現場でややキレる鈴木卓爾。「邦画っぽい演技はやめ
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絶倫絶女 おじさん天国(2006年製作の映画)

5.0

再見。人生ベスト級に好きだ。おじさん地獄なのに「おじさん天国」っていう。ここぞとばかりに頻出する赤。
藍山みなみ、佐々木ユメカもすごいけど、この映画の吉岡睦雄はとにかくセクシー。ブレッソンみたいな力強
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リンダとイリナ(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ありがとう………。「退屈を定義しろ」みたいなことを問われて、すらすらと、かつしどろもどろになる主人公たちの姿、『みんなのヴァカンス』で見た。こういう映画をずっと見たい!撮りたい!

ルックバック(2024年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

なんとなくだがこれを見るぐらいなら『魔法少女を忘れない』見たほうがよっぽど良いなって思ってしまった。勝手な連想ゲームだけれども。

アクションの階段の悪さとか、ポン寄りの雑さとか、左手問題とか原作の面
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ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

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アレクサンドル・アジャのサービス精神って絶対に観客が期待したもの以上の爆発をやってくれることだと思う。でもそれが形式すぎていてどこか優等生めいたものをずっと感じさせる。

愛してる、愛してない...(2002年製作の映画)

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ベタなどんでん返しすぎて興奮せず。オドレイ・トトゥがイマイチリバイバルされ切らないのは『アメリ』後がこれかよみたいな脱力感があるからじゃないでしょうか。

宝島(2018年製作の映画)

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車載POVの異様さ。どこか心霊ビデオのような、みんながいた世界ではない世界を見せていく手つきが興奮する。
ドキュメンタリー笑みたいなドキュメンタリー映像百連発すぎてメイキングが見たい映画一位。

映画が時代を写す時 侯孝賢とエドワード・ヤン(1993年製作の映画)

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こんなの見てしまうともっともっとエドワード・ヤンに対して小洒落たニューヨーカー感ある人でした…みたいな印象持ちそうだけど、撮影途中に気のいい返答をガンガン返してて、口笛吹いて、ウディアレン好きで、ホウ>>続きを読む

愛の記念に(1983年製作の映画)

5.0

太々しく、逃げてみたり、突如として現れてみたりする父、監督自身。堂々としてるんだか、やや機敏に見えるという。北野武みたいだと思った。
ムルナウの映画で「カップルの切り返しは別れる時だけだ」って有名な話
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バーバリー・コースト(1935年製作の映画)

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「私は霧が好き」と高らかに宣言される霧映画。橋の下にも霧とクロスフィルター。
虎鮫と同じく、エドワードGロビンソンがセクシーなピアスで負け男を披露。フラれてる時の渡瀬恒彦っぽい。
文字版組をハンマーで
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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ガキの心の読み合いをあの手この手でやったのは良かったけれど、突き落とされるガキにしたって、団地でやってほしかった。団地を舞台にしているのに団地のロングショットが少なすぎてもったいない。終始もったいない>>続きを読む

妖怪巨大女(1958年製作の映画)

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合成ですらなく、幻影のように力技で巨大感を見せる、しかもそれがラスト15分になっても続くというチープさに流石にうんざりしてしまった。ゴジラの三角関係プロットの偉大さが見にしみ続ける60分。唯一、家を襲>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

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久々にカウリスマキの映画見たけどほぼ、いたつきではなくてかげつきなのが脅威的っていうか。ノソノソと現れる切り返しが軽やかに劇的でいい。一番感動したのがバーのおっさんが出てきて捕まってパトカーに入れられ>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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木がへし折れて、二人の家は破壊される。どことなく『天国の門』の最後完膚なきまでに破壊される小屋を思い出した。二人を見つめる視線だけを映して、冒頭を暗示させて終わる。茂みに息を潜めて隠れたあたりで、いつ>>続きを読む

シン・ちむどんどん(2023年製作の映画)

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沖縄選挙の空気感をひたすら伝える前半が本当に面白い。後半、やっぱり座り込みをする人たちの独特の空気感がギャグっぽく思えて、それをそのままギャグとして映し込み返していたのが、ひろゆき的な冷笑に対するカウ>>続きを読む

スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993年製作の映画)

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明らかに予算がかかりすぎていて過剰な脚本。でも現代との奇妙な往復にアニメ版は確実に?モデルとしていることがわかる。AKIRAみたいなサイバーパンク描写とドラッギーな雰囲気が90年代前半っぱい。てか監督>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

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ロドリゲスとガイリッチーの映画って、面白くないわけじゃないけどいっつも結局シナリオが強すぎて文字ベースになる。そして文字ベースに自覚的だからデッカい仕掛けとか魅力的な場所を作り出そうとするんだけど、そ>>続きを読む

フランドル(2005年製作の映画)

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ブリュノデュモンって、どことなくどころではないイヤらしさがずっとあって、好きだと言いにくい感じがある。クレール・ドゥニとかよりもジョナサン・グレイザーみたいな。ラストの俯瞰で涙流す女のカットとか見てい>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

5.0

・口を押さえる、ど正面でこちらを向く。あの口を押さえた安達祐実でおおーっとなってしまう。
・うらぶれた女になって街中を彷徨うところも凄まじい。トリュフォーのイザベルアジャーニみたい。移動ショットで繰り
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彼方のうた(2023年製作の映画)

1.0

びっくりするぐらい合わなかった。アダム・リフキンゲラゲラ面白がってるようなやつが見るようなものではないということで…。