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テンプル・グランディン~自閉症とともにのsyuheiのレビュー・感想・評価

4.5
HBOオリジナルのテレビ映画。2010年、ミック・ジャクソン監督作品。原題は"Temple Grandin"。

実在の動物学者の半生を映画化。4歳まで言葉を発しなかった自閉症の女性が科学の面白さに目覚め、博士号を取得し、独特の視点から肉牛の生態を観察することで効率的かつ人道的な誘導路の設計を行う。伝記モノ、ヒューマンドラマ、科学モノ、3つの要素が108分にぎゅっと詰め込まれている。

ストーリー構成にほとんど無駄がなく、実話に基づく説得力でぐいぐい引き込まれる。自閉症のテンプルは視覚で考えるvisual thinkerとして描かれ、彼女の眼から世界がどう見えるかをいつしか観客も共有していく。テンプルを演じるクレア・デインズの演技が見事で、キャラクターとして非常に魅力的。

この話、どこかで聞いたことがあると思ったらTEDトークだった。この映画のことも紹介されている。今まで見落としていたとは不覚。>テンプル・グランディン: 世界はあらゆる頭脳を必要としている https://www.ted.com/talks/temple_grandin_the_world_needs_all_kinds_of_minds

"Nature is cruel, but we don't have to be." "Another door."など、印象的な英語のセリフや表現が多いのもよかった。中でも"Different, but not less."には涙腺爆撃された。110分以下の時間にこれほどの要素を混乱なく詰め込んだ制作陣に拍手を送りたい。見事な映画だった。

https://twitter.com/syuhei/status/1413815923358633985?s=20
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