似太郎

ドレミファ娘の血は騒ぐの似太郎のレビュー・感想・評価

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)
4.5
「あのゴダールがもしポルノ映画を撮ったら?」という身も蓋もないコンセプトで進行していく初期黒沢清監督によるエッチな学園コメディ。原題は『とっても恥ずかしゼミナール』。

悪ふざけ感満載な作風はのちの『キュア』『回路』などにも通底する。終始無表情な桐口依子さんがイイ。

まあ完全なオタクによる自主制作映画なのだが、80年代らしいバブリーな雰囲気といい徹底したサブカル風味といい今の映画にも通じるヒップさが其処彼処にある。

伊丹十三演じる「大学教授」のモデルは黒沢監督の恩師でもある蓮實重彦らしく、当時この方が映画批評、或いはニューアカ方面で猛威を奮っていた状況が本作を観るとよく理解出来る。どうやらハスミ光線を浴びると皆、こういう作風になってしまうらしい。🤷‍♂️…。

逆に今だとネット配信で古い名作やカルト映画がわんさか観れるので、こういうタイプの映画に特に新鮮味は感じないけど、いったいどんな客層をターゲットに絞った映画なんでしょうね? 後半などは結構、政治的な匂いもするのだが。
似太郎

似太郎