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キューティー&ボクサーのIngmaのレビュー・感想・評価

キューティー&ボクサー(2013年製作の映画)
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日本で1950-60年代に活躍した前衛芸術家の篠原有司男が、2000年代後半になって具現芸術協会の作家とともに再評価の運動がようやく高まり注目を浴びる背景がこの映画にはあります。そして監督も海外の方ということから、海外で篠原さんが再注目されていたことも同時に伺えます。そのような売れなかった時代の影響からか、篠原さんの絵画や彫刻を本人が乱雑に扱っている様子がカメラに映し出されていて、苦労や篠原さんの自由奔放な性格が出ていて面白く観れました。

本作も奥さんの乃り子さんの視点から映画が語られていたのがより篠原さん一家の苦労を感じられ、さらにカメラの存在を全く感じさせないドキュメンタリーに仕上がっていて飽きない工夫がたくさんありました!

タイトルシークエンスの篠原さんの2分弱ある迫力をまざまざと感じるボクシング・ペインティングのロングテイクを観られるだけでも大きな意味を持つ映画でした。
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