Satoshi

鑑定士と顔のない依頼人のSatoshiのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.6
「老いと夢」

高齢になると「今更始めても…」とか,若い奴がやるもん…みたいに恋愛や冒険心,自分の好奇心なんてものを蔑ろにしがちになるんだと思う。この作品の主人公も同じように,恋愛に対して今更感があったのだろう。依頼人の素顔が見たいという好奇心から始まった青年のような恋心は,周囲の人間(若者)に年寄りだからと恋愛の指南を乞うたり,友人の恋愛問題に悩まされたり,それが原因で友人と激しく喧嘩したり——これ相手が20代だし,さらに美人画オタクってのがおもしろい——。ベットの上と表紙に座っているtheジジイのジェフリーラッシュとは違う若さを観ることができる。
しかしながら,この体験は歳を加えるにつれ,冷静になる必要があるのかもしれない。

是非ミステリー・クライムというジャンルを忘れて観てほしい。そのほうが驚きが増すだろう。そして,老いた人物が夢を見ることの恐ろしさを実感することができる。
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