オレンジの子犬

鑑定士と顔のない依頼人のオレンジの子犬のレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.7
鑑賞直後は、どうしてこんなストーリーにしたんだろうか、救いようのない裏切りのストーリーだなという切ない気持ちしかなかった。

しかし少し時間をあけるとなるほどと。
裏切りもなにも主人公はそもそも誰とも心を通わせてはいなかった。だから裏切りだと感じているのはそもそも本人だけなのかも。

いつも自分のことにしか関心がなく、相手のことを一人間として見ていない。相手は意外と自分を一人の人間としてみなしているにも関わらず…。

カフェの女性は彼を良く観察していたが彼自身は女性の存在にすら気づいていなかったであろうことがこのストーリー全体の意味を物語っていると感じた。
もし彼が本当の意味で人との関わりを持っていたら違う結末になったのでは??

愛情も友情も自分本位では手に入れることはできない。
そんなメッセージを自分なりに受け取った。