COZY922

鑑定士と顔のない依頼人のCOZY922のレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.8
高級レストランでの自分のイニシャルの入った食器、スタイリッシュな家具、数々の名画など視覚的には実に美しいのですが、話のほうは物哀しさを感じる作品です。ただ、これ、主人公とロバートとの会話や、機械人形の部品が少しずつ見つかること、そして何よりもクレアの態度やセリフから、半分もいかない時点でその後の展開が容易に予想できてしまいます。自分から連絡をしておいて現れず翌日に見え透いた理由で侘びの電話を入れたり、激怒したと思ったら次の瞬間には甘ったるい声で猫がすり寄るような態度に豹変したりするのは、誰かを翻弄させる際の、古典的かつ王道の常套手段。 どんな贋作にも騙されない卓越した鑑定士でも、生身の男性としての”鑑定”は勝手が違ったということでしょうか。高い勉強代でしたが、人を愛することを知らないまま人生を終えるよりも良かった、、と思いたい。
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