ジャッキーケン

チャイニーズ・オデッセイ Part1 月光の恋のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.1
世代的に「少林サッカー」「カンフーハッスル」ドストライクなのでこの辺のチャウシンチーをほぼ見たことない僕にとってはこの作品を通じて当時のチャウシンチーは日本漫画的なドタバタ喜劇と特撮を絡めた「デスプルーフ」のタランティーノみたいに趣味全開で作っていて実に楽しい

原作の最遊記をチャウシンチーが、監督こそジェフラウという(クローサーの脚本)人だが演出そのものはチャウシンチーがやってるとしか思えないぐらいチャウシンチー感がある。
ン・マンタが体のあらゆるところから血がピューって出るところとか股間に燃える火を足で踏みつける痛そうな描写とか一歩間違えればバイオレンスに見えるところもチャウシンチーなら全部笑えるギャグとなってしまうのが凄い
全裸で妖怪退治をする奇想天外さも面白い

「少林サッカー」よりも遥かに前の本作でもチャウシンチーとン・マンタの掛け合いの面白さが確立されてる。「喜劇王」へと繋がるカレンモクとチャウシンチーのラブロマンス的な掛け合いもグッとくる

中国武術なアクションと特撮をミックスさせてる辺りも日本のカルチャーを愛すチャウシンチーの趣味が垣間見れる
ファンタジーに振り切ってるからあからさまなワイヤーもすんなり受け入れられるしこれぞ特撮と言えるCGを使わずに工夫した描写が個人的に凄く良かった
さらにはタイムループに至る展開や最遊記の最初に至るまでをチャウシンチーのコメディ色全開にかつ2000年代以降のしか知らない僕世代の人には興味深いところが多々あって見応えがありましたね。
クリフハンガーうますぎる