デザインは超セクシー、アップデートも上手い。でも「この作品ならでは」の印象的なシーンやカットはないかも…。
久しぶりの再試聴。
「悪徳会社の社長」から「ヴィジョナリー的な論理展開をしながら自社のエコシステムを拡大していこうとするCEO」への転換とか、既に義肢としての技術が実用化されている描写とか、細かい所に気配りがされてるっていう気がする。
でもその分説明的でダイナミックさに欠けるシーンが多くて、ラストのご都合主義を悪目立ちさせてしまっているとも感じるし、せっかくの新描写も全部既視感を感じてしまうのが残念。
オリジナルの、如何にも金属的な表現からカーボンや樹脂的なテクスチャに移行するのは現代的だけど、前傾姿勢で乗るバイクと併せて「ダークナイト」程のインパクトはなくて、機械描写が細かくなっているけれど「アイアンマン」程ではなくて、クライマックスで大型・大火力のメカに取り付く戦闘は「ゴースト・イン・ザ・シェル」でもう観ていて、と、SEや色のコントロール、ライティングなんかを含めて驚きというか「新体験」というのはなかった気がする。
だから決してつまらなくはないしカッコいいんだけれど、なんとなく記憶に残りにくい、という微妙な立ち位置になってしまっている様に思う。