memo

パリ、ただよう花のmemoのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、ただよう花(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公の女性ホアの名前を漢字で書くと花。『パリ、ただよう花』は良いタイトル。異国での満たされない孤独感や不安感。居場所を求めるようにパリと北京を行き来するホア。居場所や頼る場所のないホアの不安感を表すような、パリの街の手持ちカメラの映像がとにかく良い。あと部屋の中で窓を映す場面が多かった気がする。中国に戻ったときに大学でエリート的な扱いを受けており、生きていく選択肢がいくらでも広がっていそうな彼女が、パリではアジア人そして女性というマイノリティとして過ごし、中国でもなぜかそこまで望んでなさそうな結婚を選ぶという、どこまでいっても抜け出せないほの暗い絶望感……

ほとんどレイプのような形で最初に体を重ねるのだが、パリに着いたばかりで男に振られて頼るあてのなかったところに自分に興味を強く示してくれる存在が現れる、というのは孤独な彼女にとって大きかったのだろうか。「パリの大学に通う賢い中国人女性ホア、工事現場で働く学歴の低いフランス人男性」という構図、大学ではフェミニズムの講義(授業をぼーっと聞いている男性が何人か映される)、男が隠していた秘密(もう一人の相手もパリではマイノリティの立場にあるっぽい見た目の女性だった)、男の実家を訪れた際ホアはその家族から差別的な発言を受ける、など、自分ではまだうまく落とし込めていないが作品のテーマと関係あるのだろうなあという部分も多くて、興味深かった。
memo

memo