はらこー

パリ、ただよう花のはらこーのレビュー・感想・評価

パリ、ただよう花(2011年製作の映画)
4.8
二重生活で空から俯瞰するショットが多用されていた一方、こっちは電車や車からその街に入ってきてぼんやり窓から眺めた景色、旅人の視点そのもののようなカメラワークが印象的だった

これが普通の恋愛群像劇なら、主人公の行動に全く納得できない人も多いのかも知れないが、ヨーロッパで多少生活したことがある人なら、わかっているけどこうなってしまうっていう気持ちがなんとなくわかるんじゃないだろうか。少なくとも自分は自分にとってのヨーロッパの異質さや溶け込めなさというのを痛感したし、色々と克明に思い出した 遠藤周作の留学であれほど憧れていた石畳の道や煉瓦造りの街並みがいざ生活してみるとひどく冷たく感じてしまう描写があったけど、何をやっても何故か手応えがない、憧れのはずなのに的な感覚はこの映画の中でも随所で描かれていたと思った

こと中国という事情は勿論あり、10年前ってこんな感じだったんだなということと、その延長上に今の中国もあるということもすごい合点がいった

とはいえ話を戻すと神の視点から見た武漢はものすごい美しかったけど、北京だと地に足ついたカメラ捌きが一番合ってるのかしら、理由はよくわからんが
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