犬と暮らしていた友達を亡くした女性の話が印象的だった。二人の女性は読書仲間で、語る女性は歴史小説が好きだそう。中国とか日本のも読む。亡くなった女性は朝鮮の歴史小説も読む。趣味が同じでも好きなジャンルが少し違うから、二人の世界を補い合うように話していたのだろう。語る女性は旅をするのが好きだと言っていたが、犬と暮らしていた友達はどこにも行けない。だから帰ってくると旅の話をしていたのだという。亡くなった未来のことも話していた。亡くなったときのことよりも、生きていたときの記憶を語るほうが胸が締め付けられる。亡くなった事実に悲しいのではなく、来るはずだった未来が来ないほうが悲しくて恋しいからだろうか。
やはり正面からのショットなのにカメラが見えないとなると、小津作品と同じような撮影方法を選択したのだろうか?不思議だな。