たくみ

アデル、ブルーは熱い色のたくみのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.5
お盆休み初日で特に予定も無かったので、上映時間長い映画観てみようという安直な考えのもと鑑賞。

“普通”の恋愛映画でしたね。
上映時間3時間という事もあって、出逢いまでをゆっくり描いていました。

とにかく接写が多くて、アデルが見てるエマ、エマが見てるアデルを感じる事が出来るから、より映画にも没入する事が出来ました。
レンズフレアすら映像に残すことで神々しさが出ている感じがしました。
公園でのシーンとか素敵でしたね。

食に関するエマとアデルの対比も今までの人生を表していて見事だなと感じました。
家族の食事シーン、アデルの家はパスタで、エマの家は牡蠣をおもてなしする。
口元を拭くシーンではアデルは手で、エマはナフキンで拭いている。
このいったシーンを比べるだけでなんとなく格差がわかる。

お互いの家でSEXしているシーンも、エマの家では窓全開で声出しながらしているのに、アデルの家では声を押し殺している。
「声が聞こえるかどうか」で家の広さが何となくわかってしまうのも上手いなぁと思いました。

エマはセクシャルマイノリティであることをオープンにしているけど、アデルは親には伝えていない。
アデルの両親が、「お金を稼げる男と一緒にいる事が幸せに繋がる」的な時代遅れな考え方をしているのが見ていて痛々しかった。
あんだけ抑圧的な環境で育っていれば、そら嘘もつくよなって感じがしました。

描きたいテーマは全て理解出来たわけではもちろんないけど共感できる部分もたくさんありました。
ただ、描き方に有害な男性性をひしひしと感じてしまったかな。
ベッドシーンも要らなくね?って所あるし、調べたらベッドシーンの撮影に10日間かけたって、、、
それって結局必要なシーンを撮ってるんじゃなくて、監督の自慰行為に付き合わせるだけじゃね?ってなってしまったなぁ、、、

映画のほとんどがアドリブやったらしいから主演二人の演技はホント凄まじい。
だからこそ何か勿体ないなぁと感じてしまったのが正直なところです。

【その他メモ・独り言】
・人生に偶然なんてない。
・美味しいパスタ作ったお前。
たくみ

たくみ