人を傷つけたり、傷ついたりした時のことを鮮明に思い出しました。
それと同じくらい、満たされる時の感情や記憶も鮮明に思い出しました。
思い出さないだけで、全部覚えているんだなと思いました。
相手を激しく求めるのも、相手に激しく腹が立つのも、理由はどうしようもなく好きだからで、この映画を観て、多分もう他人に抱くことはできないような、良いことも悪いことも感情を制御できないくらい、本当にどうしようもないくらい人を好きだった時のことを思い出しました。
ああ、こんな風に怒鳴ったな
ああ、こんな風に怒鳴られたな
ああ、こんな風に泣いて縋ったな
ああ、こんな風に泣いて縋ってくれたな
ああ、別れを受け入れる時ってこんな感じだったな
と、同性愛が題材ですが、それはそこまで大事ではないような気がしてくるくらい当事者意識を持ってしまいました。あまりにも共感し過ぎて、これ絶対しっかり観たら心が死ぬ奴だと思ってあんまりちゃんと観ないようにした。
寂しくなったり、寂しくなって他の人を求める理由が、好きだからだなんて、もう人間の設計ミスだよね
なんてことをこんなにも鮮明に思い出したのは、性描写も含めそれぞれの過程を丁寧に描いていたり、役者さんの表情とか視線だったりが、心の機微をすごく上手に表しているからだろうなと思いました。
やっぱり恋愛映画は好きじゃないな、と思いました。でもこの映画に対する好きじゃない、は、最大の賛辞でもあるかもしれない。
自分語り失礼いたしました。