Ryota

アデル、ブルーは熱い色のRyotaのネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

一見すると女性同士の恋愛ドラマ。
しかし3時間にわたるこの作品はそれだけではなくフランスという国を色濃く描いている映画だと思う。

あらすじは長くなるのでカットしますが、
エマの両親にアデルを紹介するシーン。
映画中でも間接的に描かれていたが、エマは上流階級であり高級ワインが食卓に並び、エマとアデルの関係に対して理解がある。
夜、自宅で熱く行為に走る。

次にアデルの家にエマを「友人として」紹介するシーン。
エマの家とは違いいつものパスタを適当によそって食べる。エマだけは綺麗に食べているが...

アデルはレズビアンである事を両親に隠しており、エマを美術学校に通っている友人だと紹介している。
その話を聞いたアデルの両親は芸術で食っていくのは大変だ、支えてくれる人はいるのか?と。
エマは彼氏は商売をしていると両親をなだめるが
2人の間は微妙な空気だ。
夜、2人は息を殺しばれないようにSEXする。

2人は愛し合っているが
その間には明確な格差があり、それが徐々に2人の愛を切り裂いていく。

2人は大人になり一緒に暮らすようになる。
画家になったエマは友人たちにアデルとの関係をオープンにしており、友人たちと芸術の話でもりあがる。

対してアデルは教師になっており
職場の仲間にはエマとの関係を隠している。
エマの友人とも馴染めず孤立している。

エマが友人にアデルを紹介する際も、
アデルは文章を書くのよ、と紹介する。彼女は文才があり、自由に自分のしたい事をしたらいいのに、とエマは言う。

しかしアデルは保守的な仕事をすて、エマのように生きる事になかなか踏み出せないでいる。

どんどん遠くに行ってしまうエマ
アデルは不満がたまるがエマには言えず
落ち込んでいても、学校ではいつもの顔で生徒と接する。

エマに一方的に家を追い出され
泣きじゃくり、深く悲しみ、傷ついたアデル。
それでも学校ではそれを表に出さず仕事をこなす。

この辺りは非常に心に突き刺さります。

時が経ち、画家として成功し個展を開くというエマはアデルを呼び出し2人は再開した。

エマと再開したアデルは昔愛し合った事を思い出すかのようにエマに迫るが、エマには別の恋人がいる。

個展でもエマは友人たちと芸術の話で盛り上がっており、アデルは居場所がない。

どこか心を変えたようにアデルは会場を後にする。

その颯爽とした後ろ姿は何かを決心したように思える。
アデルは濃いブルーのドレスを着ていた。
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