しゅう

アデル、ブルーは熱い色のしゅうのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.5
 その辺にいそうな女性二人がその辺にありそうな恋をする話を詩的かつ情熱的に描いた映画。
 汚い食べ方や綺麗じゃない泣き方を意図的に真正面からガッツリ撮っているので、人間の極めて物質的な生々しさにちょっとウッとなる。裸体も生々しい。あまりに「肉」という感じが強くて、もしぬっぺっぽうが実在したらこんな質感に違いないと思った。
 肉体という器に魂が入っているのか肉体という器自体が魂なのか、キリスト教世界では伝統的に前者を採用しがちだと思ってきたけど、この映画は後者のイメージを強く持ってきているように感じる。食べるとかセックスするとかそういった肉体的な動作の裏側に人格があるのではなく、そういった動作自体が人格を作り出すような。
 わたしは強いて人に薦めようとは思わないけど、これハマる人は滅茶苦茶ハマるんだろうなあ。
しゅう

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