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アデル、ブルーは熱い色のencomimentのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
2.9
本作を鑑賞後、劇場で見た予告で、スティーブン・スピルバーグ監督が「アデル、サイコー!」みたいに絶賛してる映像が使われてて、マジで?と思いました。
しかし、半分は納得。スピルバーグの引き出しにはない、情緒たっぷりの作品です。

マットな質感の画面、長回し、細部の色づかい、思春期の危うさを丁寧に描写する映画的な手法が見事、とは思います。

ただ、個人的には観たい映画ではありませんでした。

179分が永遠にも感じられるような怠さに、途中で退出しようと思ったほどです。
こちらがスピルバーグ的な映画に慣らされすぎていて、こういった芸術作品へのリスペクトが足りないせいなのだと思いたい。当事者意識を抜きにして、映画に集中して観賞するという技術に欠けているせいだと思いたい。
ただ私はこの3時間、スクリーンに集中できるようなフックやモチベーションを、ついぞ最後まで見いだせませんでした。

ただ一つ、Bunkamuraの劇場内で鑑賞中に、ほんのうっすら、パリの土埃っぽい臭いがしたことが印象に残っています。
視覚と聴覚から得られない何かを、脳が勝手に創り出した"幻臭"かとは思いますが…。
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