KazuhiroSugano

アデル、ブルーは熱い色のKazuhiroSuganoのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0
レビューし忘れ。
これは料理の映画でもあります。アデルの家庭で出されるのは、庶民的なスパゲティ・ボロネーゼやプーレ(鶏の丸焼)、エマの家庭で供されるのは生牡蠣。エマが自分を売り出すために主催したパーティーで、アデルが作るのは、チキンとエビ(アデルは甲殻類が苦手と言ってたのに)とマグロが入っている餃子のような揚げ物(狐色に揚がっているからラビオリではないようだ)。料理を食べることによって、アデルは失恋の痛手から立ち直ったり、アデル、エマ、お互いの両親と仲良くなったり、エマの友人たちと交流する。

アデルちゃんを演じたアデル・エグザルホプロスってギリシャ系なのね。彼女が通う高校もマイノリティーが多かった。全編がアデルちゃん視点で描かれるので、完全に思い入れてしまうな。彼女はよく泣くのだが、彼女が泣くと本当に辛くて……。高校生から幼稚園の先生へと、ちゃんと成長しているように見えるのも素晴らしい。

【以下、ちょっとネタバレ】




それにしても、最後の方で焼け木杭に火が付きそうになりかけたシーンは、「こいつらカフェで何しとんじゃ!」と心配になった。

そういえば、原題は「アデルの人生」なのね。アデルが寂しそうに一人去っていくシーンの後に、「アデルの人生 第2章」という字幕が出るが、アデルの人生はこれから新しい局面に入りますよという、監督の優しい眼差しが読み取れたのがせめてもの救い。