かびごん

陽なたのアオシグレのかびごんのレビュー・感想・評価

陽なたのアオシグレ(2013年製作の映画)
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ヒナタがシグレちゃんに向けて描いた絵には二つある。一つは序盤、及びシグレちゃんを追いかけるきっかけとなったシーンで登場する絵だ。これには「ボクとシグレちゃん」の文章があり、"ボク"が青色、"と"が黄色、"シグレちゃん"が赤色で書かれている。これは光の三原色を満たしていない。
対して、転校するため電車に乗るシグレちゃんに追いつき、渡すことのできた絵には「ボクからシグレちゃんへ」と書いており、"ボク"が赤色、"から"が黄色、"シグレちゃん"が青色で書かれているのに加えて"へ"が緑色で書かれている。この"へ"の一文字が存在することで文章の色は光の三原色を満たしている。
この光の三原色の意図として、色が2人の関係を示唆しているのではないかと考えた。序盤に登場した絵はシグレちゃんに思いは伝えておらず、ある種の自己満足のために描いている側面がある。そのため、三原色は成り立たず、一人の世界では現実を全て色づけることは難しい。
対して、ラストシーンでシグレちゃんに渡すことのできた絵では光の三原色が満たされていることから、ヒナタはシグレちゃんに思いを伝えることで、二人で現実に存在する色全てを色づけることができるようになった。
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